「敵将の首を捕った奴が、優希奈さんを一日中好きにできるって」
「何、それ!? もう……勝手に賭けの対象にしないでよ! だからみんな、妙に気合い入ってたの? 純粋に私のこと助けに来てくれたのかと思ってた……」
「うん、優希奈さんのこと、みんな帰ってきて欲しいって思ったから今日集まったんだよ。それは本当」
悪戯っぽく笑った春馬君は、私と海里を見比べ首を傾げた。
「で、結局二人は付き合うことになったの?」
「え、」
私達は不意打ちをくらって固まってしまう。
そういえば。イヴの夜にキスはされたけど、好きとは直接言われていない……。
一瞬海里と目が合い、どう答えるんだろうと、私は敢えて口をつぐむ。
「まだ……、これからだ」
言わせるなとばかりに視線で彼らを牽制し、海里は私を輪の中から連れ出した。
「これから、だって。海里君、少しは素直になってきたかな」
「いーなー彼女。今度、優希奈ちゃんのどこを好きになったのか聞かせてもらうからなー」
理希達のからかう声が背中にかかるが、海里は振り返らず蒼生高の門を出た。



