目に輝きを取り戻した理希は、さっきまでやられていたのが嘘のように、すれ違う敵を片っ端から蹴り倒していった。
「何この人数。キリがないんだけど!」
疲れの見え始めたケイが叫ぶ。
こめかみから流れた血が頬を伝っていた。
「さすが男子校ってことじゃない? 蒼生の全校生徒の半分が影島派って噂だよ」
春馬君がなだめ、溜め息をついたケイが再び腕を振り上げた、そのとき。
「──っ」
ケイの腕を突然現れた誰かが強く掴み、相手へ振り下ろすのを阻む。
「──もう、いい。それ以上やったら、お前の腕が壊れるだろう」
「龍、臣」
ケイの腕を止めていたのは、如月先輩だった。
次の勝負には参加しないと聞いていたのに、なぜかこの場所に現れている。
「一度仲間と決めた者は絶対に見捨てない。最後まで守り抜く」
もう戦うなとばかりに、如月先輩はケイを背後に押しやり、私を振り返った。
「椿の姫は椿高に返した。桜花の姫は優希奈しか似合わないからな」



