「優希奈ちゃん。大丈夫? 痛い思いしてまで、どうして俺なんかをかばった?」
腹部を押さえ、顔をしかめつつも起き上がった理希が、私を支えてくれる。
「俺や親父のこと許せてないよな。なのになんで……」
確かに、私の父親が生涯母一筋であれば、未来は違ったのかもしれない。
でも──。
「理希は、血が繋がっていてもいなくても、大事な人ってことに変わりはないよ。海里の友達だし、私の……友達でしょ」
泣きそうに顔を歪めた理希は私の頭に手を置き、前を向いた。
「……俺の存在認めてくれてありがと、優希奈ちゃん」
私達に追いついてきた椎名君に私を託し、理希は最前線にいる海里の元へ勢いよく駆けて行く。
「理希のやつ、かなり落ちてたからな。やっと快復したか」
私を捕らえようとする男達からかばいながら、椎名君が肩をすくめる。
「え……?」
「姫のこと、自分が生まれてきたせいで傷つけたって、ふさぎ込んでたからさ」
それはつまり、精神的に落ち込んでいたから、戦う気分ではなくなっていたということ?



