「次から、如月はもう参加しないと聞いたけど、大丈夫?」
如月先輩がいない……。
その分、桜花の戦力が激減するということだ。
それは、如月先輩にとっては当然のことかと思い直す。
先輩は椿の姫がいる以上、私のことを手に入れるメリットはもうないのだから。
「それでもいいの。桜花が勝てる可能性が少ししかなくても。自分の居場所は、自分で取り戻したいの」
きっぱりと言い、私は兄の目をじっと見つめ返した。
「わかったよ、優希奈。だけど、俺からも条件がある。ただ勝つのではなく、優希奈への想いが強い方が最終的に勝ちでどう?」
私への想い……。
それをどうやってはかるのか、わからなかった。
だけど私はうなずくしかなかった。
桜花に帰れるという希望が少しでもあるのなら、それに賭けるしかない。



