ケイの心が男でも女でも、私にとってはどちらでも良い。

人として、ケイのことが好き。
大事な人だということに変わりはない。

でも、海里が嫌そうなら、受け取らない方が良かったかな。

逆の立場で考えてみたら、海里が他の女の子からプレゼントをもらっていたら嫌な気持ちになる。


「友達……。どうせ理希や春馬からももらったんだろ?」

「うん。ケーキのお礼にって」


ラッピングの解かれたプレゼントが床に置いてあったこと、気づかれていたみたい。


「なんでか知らないけどイラつくから、俺も何かやるよ。何がいい?」

「えっ……? そんな対抗する感じなら、何もいらないよ。私は今、海里と一緒にいられるだけで充分だから」


本当に……純粋にそう思う。
クリスマスイヴに二人きりで逢えるなんて、奇跡みたいなものだと感じている。

世の中には、好きな人に会いたくても会えない人がたくさんいるはずだから。


「……なんでそんな可愛いこと言うんだよ」

低い声で何かをつぶやいた海里。


「じゃあ、対抗するとかじゃなくて。俺が優希奈にあげたいから、っていう理由ならいい?」


じっと見つめられ、頬が熱くなっていくのがわかる。
外は白い息が出るほど寒いはずなのに。


小さくうなずいたら、ホッとしたように息をつく海里が視界の隅に見えた。