プレゼント用のシールが貼られた包装紙を開けると、自分では買わない高級そうなボールペンと大人の女性でも使えそうな綺麗な柄のレターセットが入っていた。


「ありがとう、春馬君」

キッチンに立つ春馬君のそばへ行き、お礼を言う。


「優希奈さん。もし桜花が負けても恨まないでね?」


私の頬に手を触れ、その流れでそっと髪を耳にかけてくれる。
以前より大人っぽくなった顔つきにドキリとした。


「──あれ? 春馬君。背、伸びた?」

少し会わないうちに、いつの間にか彼を見上げる形になっていて、成長を感じてしまう。前は目線の位置が私とそこまで変わらなかったはずなのに。


「そう? 今、成長期かな。海里君みたいに高くなるのは無理だとしても、せめて170は越えたいよね」

「海里はどれくらいあるんだろう」

「180近くあるんじゃない?」


春馬君が言い終えたそのとき、リビングのドアが開く気配がして、海里が帰ってきたようだった。

黒いコートを脱ぎ、ソファに座った彼はどこか疲れた顔をしていた。


「蒼生高との対戦の日取りが決まったらしい」

「いつ?」

緊張した面持ちでケイが聞く。