「このキャラクター、大好きなの。よくわかったね」
学校にはキーホルダーとかのグッズは持って行っていなかったはずだけど。
「んー、何となく。俺もわりと好きだし」
クマのキャラクターを好きだなんて、ちょっと可愛い。
「ありがと、大事にするね」
私も忘れないうちにと、借りていたCDを理希に返した。
「このアルバム、すごい良かったよ、何回も聞いちゃった」
「俺、2曲目が一番好きでさ」
「あ、私も!」
そのやり取りをじっと見ていた春馬君がいつかのように私と理希を見比べボソッとつぶやく。
「ほんとに二人、兄妹みたいだよね」
「そーか? もしかしたら昔、遠い親戚だったのかもな」
確かにそうかもしれない。父方の親戚とは全く付き合いがないから、そういう偶然があっても不思議ではない。
「ごちそうさま。優希奈さん、はい、これ」
ケーキを食べ終えた春馬君が平たい包みを渡してくる。
「……え?」
「別にクリスマスプレゼントってわけじゃないから。ケーキのお礼ってだけ」
言い訳のようにつけ足し、空のお皿をキッチンへ持って行ってしまう。



