「もう、私の居場所になってるよ」


海里は私にとって大切な人。

ケイや春馬君も大切な存在だけど、海里は特別。


「兄よりも、今は海里のそばが私の安心できる場所だよ」


私の答えを聞いて、海里がさらに強く抱きしめてくる。


海里は私のことをどう思っているんだろう。

兄の代わり、ということは妹みたいに思っているの?


だけど、安心できるからといって、ずっとこの場所にいられないこともわかってる……。


例えば、海里に好きな人や彼女ができたら。私はすぐに出て行かないといけない。

それを告げたら、背中に回っている腕がほどけそうで。

私は口を閉ざし、ただ彼のシャツをぎゅっと握りしめていた。