雪の上にしゃがむ春馬君のそばには小さな女の子がいて、二人は一緒に雪遊びをしていた。

2歳か3歳くらいの、髪をツインテールにした可愛らしい女の子。


今日は春馬君は彼女と逢う約束をしていると聞いていたけど。もうデートは終わったのだろうか。それにしては早い。


「──あ。優希奈さん。それにケイちゃんと海里君も」


春馬君がこちらに気づき振り返った。

私はわざと首をかしげ聞いてみる。


「春馬君に……隠し子?」

「……兄の子どもです」


ムッとした表情で春馬君が答え、ケイがくすくすと笑っている。


「えっ、あのイケメンキャスターに子どもが!?」

「いや、そうじゃなくて。もう一人、一番上に兄がいるんだ」

「春馬君、三人兄弟なの?」


黙ってうなずく春馬君。


「ちょっと今、この子……一花(いちか)の両親が別居中で。兄貴も仕事が忙しいから時々俺に預けてくるんだ。俺達の親は離婚してて、頼れないしね」


一花ちゃんという女の子は春馬君の姪っ子で、今はお母さんが出て行ってしまい、家にいない状況らしい。


それなら、ご飯を作ったり遊び相手になったり。お世話が欠かせない大切な時期だと思う。