*
最近は氷点下の日が多かったので、外に出てもまだ雪がたくさん残っている。
かろうじて日向の歩道がとけているぐらいだった。
「クリスマスが近づいてきたわねー。ケーキの予約、今年はどこに頼もうかしら。それとも手作り?」
校舎を出た途端、隣を歩くケイが鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気で楽しそうにクリスマスの話を始める。
先ほどの重たい空気が嘘のようだ。
「やっぱり俺、お前のキャラ変更、まだ慣れねーわ」
呆れた声が後ろから聞こえる。
「やーねぇ、早く慣れてちょうだい。私だって本当は、どこにいてもずっと、このキャラでいたいの」
「私はどっちのケイも好きだよ?」
「ユキ……!」
ケイは目を潤ませ、私の両手を握りしめてきた。
「なんて可愛い天使なの!」
「天使って。ケイは大げさだなぁ」
立ち止まって笑い合う私達を、呆れの混じった冷ややかな目で追い越していく海里。
「こんなに可愛いんだもの、海里の気持ちもわかるわ。いつか手放さないといけない日が来るとわかっていても、気持ちは止められない……」
最近は氷点下の日が多かったので、外に出てもまだ雪がたくさん残っている。
かろうじて日向の歩道がとけているぐらいだった。
「クリスマスが近づいてきたわねー。ケーキの予約、今年はどこに頼もうかしら。それとも手作り?」
校舎を出た途端、隣を歩くケイが鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気で楽しそうにクリスマスの話を始める。
先ほどの重たい空気が嘘のようだ。
「やっぱり俺、お前のキャラ変更、まだ慣れねーわ」
呆れた声が後ろから聞こえる。
「やーねぇ、早く慣れてちょうだい。私だって本当は、どこにいてもずっと、このキャラでいたいの」
「私はどっちのケイも好きだよ?」
「ユキ……!」
ケイは目を潤ませ、私の両手を握りしめてきた。
「なんて可愛い天使なの!」
「天使って。ケイは大げさだなぁ」
立ち止まって笑い合う私達を、呆れの混じった冷ややかな目で追い越していく海里。
「こんなに可愛いんだもの、海里の気持ちもわかるわ。いつか手放さないといけない日が来るとわかっていても、気持ちは止められない……」



