「いや、ね？


美優、家事はできないし、身の回りのことなんてしたことないような箱入り娘なのは知ってるでしょ？」




いや、それはあなたが言っていいことなんでしょうか。


ダメでしょ。


ちゃんと家事の手伝いさせてみてくれよ…。




「それでね？2人がいたら安心だなぁって思ってね？


ほら、今時女の子1人で暮らさせるのも危ないじゃない？


高校まで片道2時間もかかるし。


だから、ね？お願い。瑠宇(るう)ちゃんの許可はちゃんともらったから、ね？」




うちの母さんの名前を出して、お願い、というよりか、これは義務だよっていう雰囲気を醸し出してくる。




「みーはいいの？」




隣に座る僕とそっくりな顔をした悠宇は机に肘をついてみぃに尋ねる。




「…1人でおうちにいるよりは、ゆーゆとふーくんと一緒にいる方がいいもん」


「ね？美優もこう言ってることだし、ダメかな？」




みぃはいつも通り感情を表に出さない。


一方で、隣でにっこり笑う美鈴さん。