「っ、」
あっというまに、上下逆転して
また
総長さんに見下されたかと思えば――噛みつかれた。
……耳に。
途端に熱くなる。
けっして痛いわけじゃない。
なんだろう、この感覚。
わたし
知らない……。
こんなの、知らない。
「お前に触れる男が他にいるかと思うと絶望する」
そんなこと。
耳元で囁かないでくださいよ。
「今回ばかりは燐に感謝しなくてはな。いつもゴミしかよこさないあいつが。こんな可愛らしい拾いものをしてきて」
「……っ」
「運命といったな。そう考えるのも悪くない」
片方の口角を上げた総長さんに
正面から見つめられた次の瞬間には
あっという間に、距離が縮まり。
――ゼロに、なる。
キス、してる。
総長さんと……わたし。キスしてるんだ。
……やわらかい。
――頭の中が、真っ白になる。
どんどん体温が上昇していく。
「あ、の」
「どうした」
「息、くるし……」
「止めなければいい」
「そん……な」
離れたと思ったらまたすぐに塞がれる口で
どうやって呼吸をすればいいんですか。


