みんな、仲間なのに。
幻さんを中心としたチームなのに。
内部で対立したりすることもあるんだ。
「心配しなくても殺し合いなんて始めねえよ」
「そ、そこまで心配していませんよ!?」
「あいつらはもう子供じゃない。自分の生き方くらい自分で選べる。喧嘩したいならさせておけばいい」
信じてる……ってことなのかな。
身を起こし、総長さんを覗き込むと目をつむっていた。
(……眠いの?)
明るい時間に働いて夜は走っているのなら、睡眠時間とても短そう。
整った、綺麗な顔。
鼻はすっと高くて、まつ毛が長い。
――昔、よくパパに添い寝してもらった。
ハッキリと覚えているわけじゃないけれど。
パパは大きくて
わたしの倍ほどある身体で包み込んでくれたっけ。
(……あの時間は、もう二度と還ってこない)
家族以外だと、総長さんが、初めて。
こんなに近くに男の人がいるのは。
「夕烏は警戒心が薄いな」
(……え?)
「それとも。俺に世話になるからなにされてもいいと、そこまで腹くくってんのか?」
瞼を閉じたまま話す、総長さん。
「それは……」
なんでもするつもりでいる。
あれもこれも嫌だとワガママ言ってお世話になる気なんて微塵もない。
「……はい。わたしは総長さんになら、どんなことを要求されてもかまいません」


