なんて壮大な過去なんだろう。
あんなに明るくて。愛嬌あって。
そりゃあ銀髪だし、個性的なファッションで(とってもお洒落でかわいいと思う)、ごく普通の少年って感じは全然しないけれど。
総長さんの口からでたのは
今の燐さんからは想像もつかない話だった。
「まあ普段の燐には品格もなければ、本人のやる気次第でクズにも犯罪者にもなる諸刃の剣でな。だいぶ歪んでる。それでも狼の子供みたいだったあの頃の燐とは見違えるよ。完全にとはいかないだろうが、信頼関係も少しずつ築けている」
総長さんの話を聞いて、二人が巡り会えてよかったと思えてならない。
そうでなきゃ今頃、全然違う人生を歩んでいて。
【ユウちゃん】
――あんな風に、燐さんはわたしに笑いかけてくれなかったかもしれない。
「……わたしと一緒だ」
燐さんは、総長さんに
手を差し伸べてもらえたんだね――。
「……あの」
「なんだ」
「燐さんと愁さんは、その……。あんまり、仲がよくないんですか?」
さっき何度もぶつかり合っていたというか。
喧嘩していたように、見えた。
「燐は誰とでもうまく付き合う力は十分すぎるくらいには身に付いているし本当は空気だって読める。なのに間逆なことして他人をからかう。ときに、陥れることさえある」
「そんな……」
「刺激欲しさにリスクをわざと背負い。結果、こっちまでとばっちりくらう。それで生真面目な愁なんかとは対立しちまうんだろうな」


