「……お邪魔します!」


総長さんに続いて、扉をくぐる。


「なんのおかまいもできねえけど。今、愁が準備してるだろうからここで待て」


みんなの前では全然話していなかったのに。

意外に、話してくれるのが嬉しい。


クールはクールだけど、印象違うなあ。


っていうか総長さん

普段はしっかり働いてるんだ。


勝手に、暴走族さんって、年中バイク乗り回してるものだと思ってた。


でも、考えてみればそんなわけないよね。

走ってない時間帯は、それぞれにやることがあるんだよね。


学校行ったり、働いたり。

バイク以外に楽しみもあったりするのだろうな。


「……どうして助けてくれたんですか」


他の人の様子だと、チームに姫というものを求めていないみたいだった。


それに。


「俺の……って?」


言いましたよね。


「わからないのか」

「え……」

「まだまだ子供だな」


そりゃあ、総長さん大人っぽいし。

というかきっと大人だし。


そんなあなたから見たら

わたしはすごく子供って思われているのだろうけど。


「わたしにだって……“俺の”の意味くらいならわかります」


そういった直後、


「ほんとかよ」


――総長さんが、覆いかぶさってきた。