見上げた俺たちのボスは


黒いマスクを顎にずらしパピコを咥えたまま

じっと、愁の連れてきた女子を凝視していた。


「……幻?」

「…………」


それが、幻と少女の出会いだった。


「あれー。幻が固まってる。あれれ?」


ほんと、燐のやつ。


――なんてことしてくれたんだよテメェ。



《Side.正門愁太郎》