そう考えたそばから

柄の悪い男が手をふりあげ、


「……サトルさん!」


いてもたってもいられずに、事務所を飛び出し店内へ。


ガラス張りの店内からは、表の様子がよく見える。


さっきいた場所から数メートル離れた場所に倒れていたのは――。


「パン焼き上がんだよ。相手して欲しいなら俺がサボってるうちに来やがれクズ共。もっとも俺のトレーニングについてこれる骨のあるやつがいるかは知らねえが」


サトルさんでなく、

相手の不良だったんだ。