うーん。

仲良くなるには時間がかかりそう。


でも、待てよ。

これまで入った子が辞めていったということは……。


「わたしが一番弟子さんの一番弟子?」

「お前が? 俺の?」

「はい!」


ギロリと睨まれる。


「……1ミリも期待できねえ」

「え、してくれていいですよ」

「続くと思ってねえし」

「そんなぁ……!」


根性ないように見えるのかな、わたし。


「さっきの話」

「?」


どの話でしょうか。

サトルさんがわたしから視線を外したまま、続ける。


「あくまで俺の場合な?」

「は、はい」

「俺だったらあんな朝っぱらから送るなんて面倒なことしねえし。迎えにも来ない」

「…………」

「惚れてなければな」


――!


ひょっとしてサトルさんって。


冷たいし、口が悪いし、眉間のシワはなくならないけれど。


本当は、めちゃくちゃ優しい人なんじゃ……?


「はあ。俺に青春トークさせんな。次からは仕事に関することだけ聞いてこい」

「は、はい! 師匠!」

「師匠いうな」