「ありがとうございます。大切にします!……使いこなせるかなあ」

「わからねえことがあれば愁に聞いときゃ間違いない。燐のやつもアプリに詳しい。……巷で人気のものから裏のまで」


愁さんが少し離れたところで「燐に聞いたら余計なことまで入れ知恵されそうだな」と、つぶやいた。


そういえば……

愁さんの禁煙は今のところ順調なのかな。


また二人になったときにそれとなく聞いてみようか。

いや、別に三人のときに聞いてもいいだろうけど。


「総長さんは?」

「俺は電話できりゃそれでいい。あとは知らねえ」

「メッセージ機能の、なんだっけ……スタンプ? とかいうのが面白いみたいです」


使ったことはない。

クラスの子たちがそんな話をしていたというだけ。


「って、これは緊急事態に備えての連絡用ですよね」


オモチャじゃないんだ。


「いや。好きに使うといい。そういえば店員が言ってたな……カメラの画質が高いとかなんとか。それから防水機能搭載だとか、財布代わりになるとか。知らねえが」

「そんなことまで!?」

「地図を開けば現在地の確認ができ、行きたい場所へのナビゲートもお手のものだそうだ」

「すさまじく便利ですね……携帯って」