記憶がフラッシュバックする。


幻さんの部屋で、わたし


……幻さんと、キスを、した。


またあんな雰囲気になったりするのかな。

いや、それは考えすぎ……なの?


「…………」

「やっぱ愁の家に送るか。明日も朝早いしな」

「あ……、はい」


惜しい気持ちになってきた。

また、

幻さんの部屋に行きたいと


……キスして欲しいと思っている自分がいた。


こんなこと

照れくさくて絶対に言えそうにないけれど。


また、抱きしめて欲しいし。

幻さんの温もりを感じたい。


(……考えただけでドキドキする……)


「なに食いたい」

「あっ、あの! 愁さんの家で、ご飯の下ごしらえをしてきたんです。すぐに作れるもので。みんなで食べられたらなと……多めに用意してるんですけど。一緒にどうですか?」