お姉さんが紙袋を持ってお店の入り口までついてきてくれる。
今日色んなお店で買い物して発見したのは、レジで商品を受け取らないお店もある、ということだ。
「私、美晴(ミハル)。あなたは?」
「夕烏です!」
「ユウちゃん。さっきブラの付け方は教えたけど、他にもわからないことあったら気軽に聞いてね」
そういって、紙袋に名刺を入れてくれる。
「店のメール、私しか見てないから。どんなこと送ってきてくれてもいいよ。メールだから何時でもオッケー」
「ありがとうございます……!」
店員さんとこんなに近い距離になるのは初めてだ。
優しいなあ。
気づけば敬語も抜けてフレンドリーに。
……営業上手すぎる!
美晴さんのおかげで緊張もほぐれ、楽しく買い物ができた。
このお店にきて良かったと思えた。
美晴さんくらいのお姉さんって全然関わりなかったけど、仲良くなれたら嬉しいな……。
って、メール送るツール持っていませんが。
「下着に関することだけじゃなくて、」
美晴さんの口元が耳に近づいてくる。
「?」
「……そこの彼とのことでも。ね?」
「!?」
「初々しいぞ、ピュアカップル」
そう耳打ちされてうろたえていると、美晴さんがクスッとイタズラっぽく笑った。


