店員さんはスレンダーで長身だった。
ヒールを考慮しても、わたしより10センチ近く高いんじゃないかな。
170……は、ありそう。
お化粧もネイルも可愛くて、素敵な大人の女性って感じだ。
「中高とずっとバレーボールやってたんですけどねー。その頃はスポーツブラで。小学生の頃から同じタイプの使ってて。部活を引退したあと友人に勧められてつけてみた下着が凄く可愛くて、ランジェリーの世界に魅了されたんです」
そう語るお姉さんは、生き生きとしていた。
「今でも忘れられないんですよ、私。あのときのわくわくが。お気に入り、見つけましょうね!」
「は、はい」
「気になるデザインあります?」
「……全部可愛くて。どれも気になります」
お店の外にチラリと視線をうつすと幻さんの姿はなかった。
どこかで時間つぶしてるのかな。
「さっきのひと。彼氏さんですか?」
「……へ!?」
「ひょっとして、彼に買ってもらうんですか〜」
ニヤっと笑うお姉さん。
「え……あ……買って、もらいます」
でも、それは、下着だからというわけでなく。
なにもかも買ってもらっているわけでして。
敢えての下着だけプレゼントしてもらう感じでもなければ、彼氏かと言われれば微妙なところなのですが……!
「イケメンさんですね」
「……ハイ」
ほんとに。カッコイイです。
見ているだけで、ドキドキするくらいには……。
「いっそ選んでもらってもいいんじゃないです?」
「え!?」
「呼んじゃいましょうよ」


