『かーらーすー』

『なぜ泣くのー』


――イジメというものは、底なしだ。


やることが違っても。相手が変わっても。


いつの時代も繰り返されてきたのではないだろうか。


気に食わない。自分より弱い。


……羨ましい。


理由なんて様々で。なくてもよくて。


誰でもよかったんだろう。


ターゲットを決めていたぶる。


飽きるまで

……または、壊れるまで。


繰り返される。


そんなイジメに、わたしは、巻き込まれた。


家でも学校でも。

わたしに居場所なんてなかった。


(もう、放っておいてよ)


『カラスはやーまーにー』

『きゃはは! 夕暮れのカラスなんておかしな名前!』

『はやく山にかえれば?』


お嬢様たちのストレスの捌け口

イジメは、そんなものにさえなるんだ。


『あたし知ってるよ。××さん本当の親いないんでしょ。美人な親戚に養ってもらってるんだよね。しかもイケメン二人と住んでるとか』

『えー、なにそれ。こんな小汚いカラスが?』

『紹介しなさいよ。っていうかお金いくらでもあるのに、なんでそんなダサいの。イケメン兄弟が可哀相』