『××っていつも同じ髪型じゃない?』

『オバケかよ』

『井戸から出てきそ〜』

『呪いの人形じゃね?』


たしかにわたしはダサいのかもしれない。

流行りのメイクも髪型も、なにも知らない。


『あんなんでも恋したりするのかな』

『好かれた人が気の毒すぎるー』


……恋だってしたことがない。


恨みを買うようなことをした覚えはなかった。

周りに迷惑をかけないように生きてきたつもりだ。


わたしが悪い子になればパパを裏切ることになると思ったから。


――わたしはパパのことを信じている。


おばさんがパパの愛人?

そんなバカな。


ねえ、おばさん。

本当は嘘なんじゃないの?


パパの潔白を、信じたい。


……だけどそれを証明する術なんて存在しない。


おばさんは外見ばかり着飾っているけれど、心は真っ黒だ。


あんな風にわたしはなりたくはない。絶対に。


パパとママははやくに死んでしまったけれど、ちゃんとわたしのことを愛してくれていた。


その想いが今もわたしをまともでいさせてくれている。