莉緒がいくら護身術を身につけてるといっても、男の力には敵わないだろうし、ましてや、俺のせいで怪我してるし…。





うわぁ…俺何してんだろ…。




大事な雇い主…。




俺の人生を背負ってる雇い主…。




ごめんなさい…。




グラウンドに集合すると、競技が競技だからか陸上部だらけ。




これは…勝ち目なくね?




時雨をちらっと見ると、地面に転がって寝ている。




応援する気ないじゃん…。




俺のこと興味なさすぎでしょ…。




競技は学年混合だし、3年生の陸上部とか足長すぎて絶対追いつかないし…。




俺って足速かったのかどうかもイマイチ覚えてないし…。



運動してないから勝てる気しない!





そんな心の中での叫びは当たり前のように誰にも届くはずなく、対戦相手はくじ引きで2、3年ばかりになってしまった。




…一際小さい俺。




何これ虚しい。