「それと、あなたの家を土地ごと買い取ったから。



食べ物は腐っていたものも多かったから捨てさせてもらったけど、他のものは一切触ってない。



オフの日でも帰ってみるといいわね」



西条が。




ただの雇い主がそこまで俺に手をかける理由がわからない。




「なんで、ここまでするんだ…?」




西条はちらりと俺を見た。



部屋に来て初めて目が合う。




「…私はそんなに悪魔みたいな性格しているわけじゃないわ。



こういう性格だから冷たく見えるのかもしれないけど、そんなのあなたの先入観でしょう?



私は私のしたいことをしているだけよ」




そういうと、西条は立ち上がって、俺の前に立った。



あ、思いの外小さい…。




「今、私のこと小さいとか思ったでしょう。



普段からわりかし長い脚を組んでるからそこそこの身長があるように見えてたかもしれないけど実際は156センチしかない。



それが先入観。見た目にとらわれすぎなのよ。あなたは」