校則で強制されているカーディガンが、邪魔で仕方ない。




体温調節が難しい。




学校側もよくこんな事させるよね。



学校指定のこのだっさいカーディガンなんか着てたら、どこの高校かすぐわかっちゃうだろうに。




「ねね、莉緒。今日のお宿は畳らしいよ。枕投げしよう!」



「うん、そうだね」





夏織は嬉しそうに微笑んでいる。




可愛いなぁ。




私もこのくらい素直になれたら、よかったのに。





…違う違う。好きとかそんなじゃない。





そんな事思ってない。




…旅行から帰ったら、病院いこう。




顔を見たら、こんな変な感情なんか、なくなるはずだもん。







私たちは、オカくんやハヤミくんについていき、金閣寺、寺でもない二条城、銀閣寺と回って、最後は、京都駅に集合になっている。




京都の町はゆっくり歩く方が楽しいだろうな、と思いつつ、2人についていく。