*   *   *





 昨夜の経緯を話し終えると、海愛は不安そうに僕を見つめた。





「私……蓮の彼女だよね? 邪魔なんかじゃないよね?」





 海愛の気持ちを考えると、どうしても胸が苦しく悲しい気持ちになる。僕は海愛を抱き寄せた。



「そんなはずないだろ」





 泣きそうになるのを必死に堪え、僕は海愛の背を優しく抱く。





「そうだよね……ごめん」





 僕はなんてことをしてしまったのだろう。結果的に、海愛を傷つけてしまった。





「ごめんな、海愛。もうそんな思いさせないから」





「うん……」





 君が愛しい。だからこうして些細なことで心が揺さぶられる。





「仲直りしよう」





 深い口づけを交わしながら、僕はきつく海愛を抱き締めた。

 いい加減な気持ちで一緒になったんじゃない。心に決めた本当の気持ちを、君の声で聞かせてよ。何度も。何度でも。





「大好き」