新学期最初の一大行事、係決め。

予想通り、アイツに群がる女子たち。
困ってんだろーが辞めてやれ。
あらら、どう見てもまだ決まってなさそう。

…だーもう!こっちチラチラ見るのやめろ!
私は手ぇ貸さないかんな!
だって女子の恨みっていうのは怖いんだ!

「センセー、あたし”ガクシュウイイン”やるー」

ほら、皆の嫌いそうな放課後居残り系だぞ?
センセから受け取った宿題配ったり、
センセに宿題持ってったりすんの嫌だろ?

ほらほら喜べ!嫌なの一つなくなったぞ!
そして私に羨望の眼差しを向けるのをやめて!

そんなことを脳内で考えていた私に、
衝撃が走る。

「せんせい、おれもがくしゅういいんします」

…え?
嘘だろ、そんなことしたら…

「えー!かずはちゃんばっかずるーい!」
「そ、それならわたしがやるもん!」
「ウチもやりたいとおもっとったんやし!」

あーほら!やっぱこうなった!

しかし、私の焦りは先生の一言で消えた。
先に言っておいてください、そういうのは。

「ごめんね京介くん、君のお家から
早く返すように言われてるから…」

学習委員はさせられられないんだ、と言って。
申し訳なさげに先生は眉を下げる。

私はといえば、ほっと胸を撫でおろしていた。
ああ、焦ってる焦ってる。
女子に集られて可哀想になあ、恨むならその顔を恨みな。