このところ、真夏を思わせるきつい日差しが何日か続いていた。 時折校庭の木々の中から、どちらかといえばまだ遠慮がちな蝉の声が聞こえてくる。 学校からの帰り道。 私は額に張り付いた前髪をかき上げ自転車を漕ぎながら、きょろきょろと当たりを見回す。 案の定、私が探しているアイツの姿はなくて、ひとつため息をこぼす。 結局、最近の定番コースとなった帰り道を、いつも通り自転車で突き進んだ。