「あ、お大事に......」
ってもういないや。
開け放たれたままの襖に声をかけるけど、もちろん返事はなかった。
「わいも一応、新選組の医者なんやけどなあ」
山崎さんが包帯を巻きながらぽつりと呟いた。
心なしか悲しげに聞こえるのはなぜなのだろう。
山崎さん……山崎丞さんは新選組の監察方だという。
しかし生家が薬種問屋の山崎さんは医術にも長けていると沖田さんが教えてくれた。
「山崎さんの治療は手際が良いので尊敬しています」
すると山崎さんは照れたように「ありがとう」と言った。
「まあ、隊士らは紅のほうが好きみたいやけどな」
「……あっ」
「いや嫉妬とかやないで!?ただ、紅の負担が……」
「負担?」
山崎さんの言っている意味がよく理解できなくて首をかしげてしまう。
こんなに良くしてもらっているのに、負担だって思うことなんかひとつもない。



