傷だらけの君は



「土方さん」


「なんだ」


「ありがとうございます。助けていただいて」


すると土方さんは心外そうに眉をひそめた。



「俺はただ斎藤に話があっただけだ」


お前を助けたつもりはない、と断言される。


そのとき右隣から声がかかった。



「……紅、副長は照れているだけだ」


「余計なことを言うな斎藤」


土方さんの機嫌がもっと悪くなってしまった。


斎藤さんはかまわず朝餉に手をつけている。


もくもくと食べすすめるその姿に少しだけそわっとしてしまう。



「お口にあうでしょうか?」


思わず声をかけてしまい、後悔した。


斎藤さんと面と向かって話したことはなかったのに、不躾だったかな。



「ごめんなさい、やっぱり」


なんでもないです、


そういう前にポンと頭に手を乗せられて。


少しだけ笑ってくれた。



それ以上、斎藤さんは黙ったままだ。



えっと……


味はいけるってことでいいのかな。


自分の都合のいい解釈をしてもいいのかな。