隣に来てくれるのは全然、嬉しいんだけど......何を話したらいいのか分からない。
世間話をしようにもあいにく、あたしは世間をあまり知らないし。
なんて一人考え込んでいると、隣に誰かが座る気配がした。
あたしは振り向きざまに声をかけた。
「沖田さん、あの」
「誰が総司だ」
振り向くと、そこにいたのは土方さんだった。
ひどく不快そうに顔をしかめて胡座をかく。
その姿にこちらに歩み寄っていた隊士さんの動きがピタリと止まった。
「ど、どうする?」
「行けよ!」
「だって土方さんが......」
「俺がなんだって?」
ひそひそ声で話していた隊士さんたちに、土方さんが凄みのある視線を向けた。
「い、いえ!なんでもありません!」
「口ほどにもない」
気まずそうに自分の席に戻る隊士さんを見ながら、土方さんがそう言った。
......あたし、なんで沖田さんだって思ったんだろう。
沖田さんなら少し離れたところで煮物を食べているのに。



