傷だらけの君は



昨日、女中という役職を与えてもらったあたしは、今日が初仕事。


ここ新選組は女人禁制で、女中さんは今まで一人もいなかったよう。


ご飯も隊士たちの当番制だったらしい。


だから、



「は......?うま......」


「ぱっつぁんに続いて総司まで泣いたぞ!」


「あの総司が!?」


あたしの作った朝餉を食べてこんなに泣いてくれるなんて。


......これまでは一体、どんな料理だったんだろう。

って少しだけ失礼なことを考えてしまった。



「紅さんの料理うめぇっす!」


「顔も良いし、優しくて飯も美味いなんて......!」


あたしも並んで煮物を食べていると耳に入ってきたそんな隊士さんたちの声。


料理を褒めてもらえるのは嬉しいけど、顔がいい?優しい?それは間違いだと思う。


だって一度も自分で思ったことないもん。



「誰か、紅さんの隣空いてるぜ」


「俺座ろっかな〜癒してもらおう」


「ずりぃぞ!俺がいく」


......これ、聞いちゃってもいい会話なのかな。


あたしはさりげなく右隣を見た。


反対側では斎藤さんが汁物をすすっているけど、右隣はたしかに空いてる。