「あーもう」
そのときずっと黙っていた沖田さんが起き上がって、騒いでいた三人を睨みつけた。
そして一言。
「うるさい」
あたしでさえぞっとするような声の低さに、藤堂さんたちもたじたじで。
「あ、そろそろ寝なきゃー」
「お、俺もー」
「じ、じゃあな紅!おやすみー」
焦ったような顔の三人は、急いで部屋を出ていってしまった。
その様子を見て、呆れたように再び横になった沖田さん。
一見冷たそうだったけど、心からうるさいって思ったわけではなさそう。
普段はとても仲が良さそうだし、彼らにとってじゃれあいみたいなものなのかも。
「あの三馬鹿......」
たぶん。
沖田さんの三馬鹿発言によって少し不安になってきた。
そういえば、
「沖田さん」
「なに?もう寝たいんだけど」
「すみません。あの、さっきの言葉なんて言ったのか知りたくて」
ふすまの音と被っちゃって、本当に......までしか聞こえなかったんだよね。