そのとき。
沖田さんの言葉に被るように、勢いよく開け放たれた部屋のふすま。
「紅〜!総司に襲われたりしてない〜!?」
「総司に限ってそれはないだろ!」
「いやお前ら、総司だって男だからな?」
入ってきたのは藤堂さんで、原田さんと永倉さんも一緒だった。
「っていうか二人とも、なんか距離遠くないか?」
「俺も思った。不自然なくらい離れてるよな」
不自然?離れてる?
もしかして布団のことかな。
原田さんと永倉さんの言葉に、あたしは改めて隣を見た。
部屋の中心に沖田さんの布団が敷いてあって、そこから二個分ほど離れた隅のほうにあたしの布団。
ふむ、なるほど。
「これが妥当な距離だと思うんですけど……」
これ以上近づけるなんて恐れ多い。
あたしのせいで沖田さんの安眠を妨害するわけにはいかない。
「紅ってほんと紅だよね」
「根本的なところは変わんねぇよな」
「もちろんいい意味で」