慌てて口を押さえて、激痛に耐えながら一歩、また一歩とゆっくり歩く。



そして父様の寝室の奥にある居間へ行き、隅に置いてあった薬箱に手を伸ばす。


中から包帯を取り出し、それで足をぞんざいに巻いていく。



本当は医者に見せ、適切な処置をしてもらったほうがいい。


だけどそんな余裕はうちにはない。


余裕があったら、あたしもこんな仕事はしない。