「こんなもん、舐めときゃなんとかなる」
いや、なるようには思わないけれど。
ぱっくりいっちゃってるし。
と心の中で返したけれど、本当に土方さんはどうでも良さそう。
その時、ある考えが頭をよぎった。
もしかしたら、見直してくれるかもしれない。
この指の傷を治すことで。
「土方さん、あの」
「なんだよ」
あたしは怪訝そうな顔をする土方さんを呼んで、その繊細な指にそっと触れた。
「っ、おい」
触れて分かったことだったが、
繊細に見えたその指は、意外にもゴツゴツしていて紛れもなく剣士の指だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…