「ごほっごほっ」
「大丈夫?水飲んで」
喋ったことにより、少し引いていた頭痛が再び戻ってきた。
用意してくれた水を少しだけ口に含む。
「っはぁ……」
それさえも少しむせてしまう。
「まだ熱が高いんだ。もう喋らないほうがいいよ」
「あの」
そして壁にもたれかかった総司さんに、あたしは声をかけた。
「言ったそばから……何?」
「……移っちゃうかも」
感染症かただの発熱か定かじゃないけど、総司さんはほぼあたしに付きっきりだったから。
「いいよ移っても。しょうがないっていうか、君の看病が最優先なんだから。あとは二の次」
「迷惑かけてすみません」
短いため息が聞こえて、また手ぬぐいを替えてくれた。
「……いいから寝てな」
あたしは目をつむる。
全然眠くなんてなかったけど、こうしていると痛みが和らいでいくような気がする。
静かな空間だったけど、なぜか落ち着いた。
時折総司さんの動く音がして、あたしの意識もだんだん遠のいてくる。
父様、怒ってないかな。
それに仕事も山積みなのに。
はやく治さなきゃ。
はやく……



