「総司さんは気付いてますよね?あたしの力に」
「僕だけじゃない、もうみんなわかってるよ。君が傷を移したことくらい」
昨日、目を覚ますや否や近藤と名乗る人物に頭を下げられた。
何度も何度も。あたしなんかに土下座をしていた。
周りの人たちが必死に止めているのに、近藤さんは顔を上げなくて。
はじめはなんで謝られているのか分からなかった。
何かをされたわけでもない。
むしろあたしが "何かをした" のに。
が、どうやらここの人たちはあたしの力を勘違いしていたらしい。
聞くと彼はここ、新選組の局長らしく。
あたしが依頼を頼まれた人とは別の人だった。
手元に届いた文には依頼内容とともに、こう文末に書き記されていた。
ーー土方歳三、と。



