「なっ、そそそ総司!それ……!」
部屋中の空気がざわっと揺れた。
近藤さんが今にも倒れそうな顔で、僕の腕と彼女の腕を交互に見る。
「……治ってる」
痛みが一気に引いた。
包帯を取ってみると、腫れもなくなっていた。
何事も無かったかのように動かすこともできる。
「以前家まで送っていただいたお礼です。そちらの方の治療費も、今回は必要ありません」
「覚えてたんだ……」
「はい。それでは、お大事に」
ぺこりと頭を下げた彼女は、そのまま部屋を後にしようとした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…