「なっ、そそそ総司!それ……!」



部屋中の空気がざわっと揺れた。


近藤さんが今にも倒れそうな顔で、僕の腕と彼女の腕を交互に見る。



「……治ってる」


痛みが一気に引いた。


包帯を取ってみると、腫れもなくなっていた。


何事も無かったかのように動かすこともできる。



「以前家まで送っていただいたお礼です。そちらの方の治療費も、今回は必要ありません」


「覚えてたんだ……」


「はい。それでは、お大事に」


ぺこりと頭を下げた彼女は、そのまま部屋を後にしようとした。