というか、本当に治したのか。
にわかに信じ難いけど、この永倉さんを見るかぎりは……
「気分はどうでしょうか」
「おお、最高だぜ!ありがとう!」
立ち上がった彼女は、そうですか、と笑った。
いや、軽くほほえんだ。
笑っているのに瞳の奥はどこか遠くを見つめていて。
この顔が彼女の本当の笑顔ではないことは容易に理解できた。
しかも、
なんだろう、少し顔が……赤い?
なんて思っていると目の前に彼女がきて。
「……それ」
「あ……ああ、ちょっと折っちゃって」
まさか話しかけられるとは思わなくて、反応が遅れてしまった。
乱雑に包帯を巻いている腕に、彼女の視線が注がれる。
そして腕に、手が触れた。
ひんやりと冷たい指先。
「ちょ……、っ!?」
何するの、そう言いかけたそのとき。