「それで、紅とはどういった関係で?」
土方さんの言葉に、ずっとうつむいていたあたしも顔を上げた。
手が震えている。
寒いわけじゃないのに、この震えを止めるすべをあたしは知らない。
だから隣に座る沖田さんが手を握ってくれたとき、まるで一緒に分けようって言ってくれてるようで。
隣を向けば、いつもの笑顔で頷いてくれるから。
ああ、いつになってもこの人には敵わないな。
なんて。
あたしも、その手を握り返した。
女の人は黙っていた。
それを言ってもいいのか、迷っているようにも見えて。
誰も、なにも促すことはなかった。
決心したように女の人が前を向いたとき、その目は今までとは違って見えた。
そして……
「紅とは……紅は、私の娘です」



