「お、どうやら来たみたいだな!ちょっと行ってくる!」
すっと立ち上がった近藤さんの顔は、どこか子供のように輝いていた。
「ちょっと待ってください。誰ですか?誰が来たんです?」
慌てて止める僕に、左之さんが不思議そうに声をあげた。
「なんだ。総司、知らなかったのか?怪我を一瞬で治してくれる女子のことを。
どんな傷でも治してくれるらしい。ただ、失ったものを生やすということを除いて。
ちょっと高くつくけど、その腕は確からしいんだ」
はぁ?何それ。
そんなの人間のできる技じゃない。
そんな人物に、高熱で無防備な永倉さんを会わせるわけにはいかない。



