「総司もちゃんと人間だったんだな」
「うるさいなぁ」
ちゃんと人間って、どういうこと?
今まで僕のことをなんだと思っていたんだこの人達は。
というか、僕もまさか残雪で転けるとは思わなかったし。
その上、腕の骨まで折るなんて。
両手に団子を持ってたから、受け身が取れなかった。
のどに串が刺さらなかっただけマシだと思ってほしいものだ。
「そういえば永倉さんは?」
「部屋で苦しんでる。もうすぐ来る頃なんだけど」
「来る?」
平助の言葉に、僕は首をかしげた。
「ほら、いま町で噂の……」
その時、左之さんの言葉を遮るように、ふすまの外から山崎くんの声がした。



