「……佐賀さん?」




副会長が首を傾げると、佐賀くんははっと我に返ってマイクを見た。


遠くからでもぷるぷると震えている様子が伺える。



……が、頑張れ佐賀くん!





「…………き…………恐縮です……」





消え入るような声がスピーカーから聞こえた。


佐賀くんの言葉に続いて、会場からは再び大きな拍手が起こる。




……すごいよ佐賀くん。


本当によく頑張ったね……!





「ありがとうございます!では惜しくも2連覇を逃してしまった須藤さん、一言頂けますか!」


「その楽しそうな顔うぜぇよ副会長。
……てかフツーに悔しい!でもまあ結果は結果だし、こんなイケメンならしゃーねーかもな」





須藤先輩はセットされた髪をいじりながら軽く話した。

どうやら結果に納得しているようで。



「生意気な後輩だな」って怒りださなくて良かった……。

話したことないけど、須藤先輩がモテるのは顔だけじゃないのかもしれないな。





「ありがとうございます!
では続いて女子!見事1位に輝いた北河さん、一言どうぞ!」


「……とっても嬉しいです!皆さん、ありがとうございます!」





花恋ちゃんはそう言うと私達観客に向かってお辞儀をした。


少しだけ声が震えてたように聞こえたけど……きっとすごく嬉しいんだろうな。