――「え、カツ?」



ポッキーを食べながらきょとんと大きな目を見開く桃ちゃん。


私達3人は教室でお昼休みを過ごしていた。


そして沙羅ちゃんは唐突に聞いたのだ。

「桃ってカツとは普段どんな話してんの?」

と。




「普段って……別に普通だよ。沙羅達の前で話してるようなこと。なんで?」


「ふーん。いや、いっつも言い合ってるけど上下関係あんのかなーって」




沙羅ちゃんは平然とそんな質問を投げかけているけど、私は人知れずそわそわして2人のやり取りを見ていた。


……大丈夫かな。

桃ちゃん勘づいたりしないよね?


私は下手に喋るとボロが出そうだから、ここは沙羅ちゃんに任せて静かに見守ろう。




「上下関係はないよ。ただカツがうるさかったりアホみたいなこと言うから怒ったり呆れたりするだけ」


「なるほどな。そういえば桃ってあんまカツのこと褒めないよな」


「……あー確かに。だって今更褒めるようなことないし」


「やっぱなんとなく桃ってカツに厳しいと思うわ」


「……あ、でも」




ふと、ポッキーを袋から取り出そうとしていた手を止める桃ちゃん。


そして顎に手を当てて何かを思い出すような仕草をして見せた。