え。


ええええ!?




「こっ、告白!?」


「カツお前……桃のこと好きだったのか!?」


「……まあな」


「気付かなかった……そうだったんだカツくん……」


「君ら2人が気付いてないならちょっと安心だわ。気付かれないように隠してたし」




明るく笑ってみせるカツくんを私と沙羅ちゃんは呆然と見つめる。



……ま、まさか過ぎた。

カツくんが桃ちゃんのこと好きだったなんて……。


そりゃあ仲良いから最初こそ好きなのかなって思ったけど……2人とも今まで全くそういう感じ見せなかったから。

なんとなくそういうこと考えなくなってた……。



ちらりと隣の藍くんに視線を移すと、藍くんは特に驚いた様子は見せていなかった。


藍くんは知ってたのかな。




「このこと知ってんの多分藍だけ。……まあでも緒方って察しが良いし……もしかしたら気付いてんのかもしれねぇけど」


「緒方ってずっと彼氏いらないって言ってたから、カツも遠慮して今まで何もしなかったんだ」




少し切ない笑顔を浮かべた藍くんを見て、少し胸が苦しくなる。


今まで何もしなかった……というか、何も出来なかったカツくんの気持ちを考えると息苦しい感覚が襲ってくる。



桃ちゃんは友達と過ごす時間を誰よりも大切にしてるから、彼氏を作らないと言っていた。


カツくんはその気持ちを尊重して、好きな気持ちをずっと隠し通してきたんだ。


……私、そんなの全然知らなかったよ。



ていうか、桃ちゃんも多分気付いてないような気がする……。