でも佐賀くん鼻とかおでこが真っ赤になってる!
……ていうか、鼻血出てるよ!?
「佐賀くんっ、血が!!」
「え……あ……」
ボタボタと滴る鼻血を佐賀くんは呆然として手で受け止めようとする。
周りの生徒達はざわざわと騒いでいて、先生を呼ぶ声も聞こえてきた。
「ほ、保健室行こ!」
「……うん」
「桃ちゃん!私佐賀くんを保健室に連れて行って来ます!」
「了解。血止まるまでゆっくり休んできて」
「ありがとうっ」
桃ちゃんは「はい、佐賀くんはもう大丈夫だから試合再開するよー」と冷静に声を掛けだしてくれた。
私はそんな桃ちゃんに感謝しつつ、佐賀くんをゆっくりと立たせて保健室へ誘導し始める。
「ごめん佐賀くん……ほんとにごめん」
「なんで……成瀬さんが謝るの……」
鼻を押さえてゆっくり話す佐賀くんに、私は申し訳なさで胸が苦しくなった。
だって……佐賀くんは私を守ろうとしてくれたのに。
私は佐賀くんを怪我させてしまった。
しかも……
「佐賀くん……やっぱり体調悪いよね?」
「……」
気まずそうに顔を歪めたことがもう答えだった。
だって、顔色悪いしずっとしんどそうにしてる。
倒れてすぐ起き上がらなかったのも、多分そのせいだ。
そんな弱ってる人に私は……。
「……ちょっと……風邪気味だっただけだよ」
「……ごめん」
「だから成瀬さんは謝らなくて、大丈夫……だから」
ふるふる首を振る佐賀くん。
……優しいな、ほんとに。
でもやっぱり今回は私が悪いよ。
だってそもそもぼーっとしてたのは、私が藍くんに見惚れてたからだもん。
あんな状況でぼーっとなんてしてなかったら、こんなことにはならなかったかもしれないし。
……浮かれぽんちな私のせいだよ。

