「オラァ!」
背後から聞こえた声に、私はびくっと驚く。
慌てて振り返った頃には、既に相手がボールを投げた後だった。
「っ!」
ボールがすごい勢いで私に向かってくるのが見える。
すると、近くにいた誰かに腕を掴まれた。
えっ……?
と、顔を上げようとした時、足が絡まってつまずいてしまって、
私の体重は腕を掴んでくれた誰かに傾く。
そして
――バンッ!
弾けるような大きな音が頭上で聞こえた。
ボールが地面にバウンドするのが見えて、私は腕を掴んだ人にボールが当たったことを認識する。
はっとして見上げると、目の前には倒れる寸前の佐賀くんがいたのだ。
「さ、佐賀くん!?」
ゆっくり傾いていく佐賀くんに、私はただ声を掛けることしかできなかった。
そして佐賀くんはそのままバタンと地面に倒れ込んでしまう。
……佐賀くん!!
「大丈夫!?佐賀くん!」
「ちょ、今顔面にクリーンヒットしたぞ!?」
佐賀くんのそばに駆け寄ってきた敬吾くんの言葉に、私は状況を理解した。
佐賀くん……、もしかして当たりそうだった私を助けようとしてくれてたのかな。
それで腕引っ張ってくれたけど、私がつまずいてしまって佐賀くんまで態勢崩しちゃって、
違う方から投げられたボールが佐賀くんの顔面に命中してしまったんだ。
……わ、私のせいだ!
「ごめんなさい佐賀くんっ」
「佐賀大丈夫か!?」
「……だ、大丈夫……」
すると、佐賀くんはむくりと体を起こして小さく両手を振りだした。
……ほっ。
良かった……起きてくれた。

